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【徹底解説】会社が倒産してしまった! 賃金や退職金は貰えるの?

Q.会社が倒産してしまいました。これまで働いた賃金や退職金はすべて諦めるしかないのですか?
A.会社が倒産して、全ての未払い賃金が支払われることは難しいでしょう。ただし、労働基準監督署が窓口となって、未払い賃金の立て替え払い事業を行っています。これは、未払いとなっている賃金の一定の額を監督署が倒産した会社に代わって立て替え払いするものです。少しでも多く取り戻すためにも、まずは相談にいってみましょう。


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会社が倒産してしまったときは未払金を確保しよう

社長や総務担当者の話を聞く

万が一、あなたの務めている会社が倒産してしまった場合、慌てず、慎重に行動しましょう。

会社が倒産してしまうと、会社には債権者が集まってきて大騒ぎになっているかも知れませんが、社長や総務担当者が社員へ説明を行うはずです。もし、そのような場がなかったとしても、同僚などと連絡を取り合って、会社の状況や今後どのようになるのか、出来る限り状況を掴んでおきましょう。弁護士などが残された金銭などの支払について説明を行う場合もありますから、そのような説明会には必ず出席するようにしてください。

ただ最も心配なことが、これまで働いた分の賃金は支払われるのか、退職金はどうなってしまうのか、ということでしょう。

会社が倒産した場合に会社の財産が残っていれば、税金や社会保険料の滞納分などと並んで、労働債権(賃金や退職金の一部)も優先的に支払いを受けることができます。

また、中小企業退職金共済制度など公的な機関を利用して積み立てている退職金は受け取れます。

政府が立て替え払いをする

会社が倒産し、賃金のいち部が未払いの場合、図表①の要件に該当すれば、「賃金の支払いの確保等に関する法律」により、政府が立て替え払いをしてくれることがあります。

図表① 立て替え払いの要件

「立て替え払いを受けることができる人」は、次に掲げる要件に該当する人です。

① 労災保険の適用事業で1年以上にわたって事業活動を行ってきた企業(法人、個人を問いません)に「労働者」として雇用されてきたこと。
②「労働者」とは、倒産した企業に雇用され、労働の対償として賃金の支払いを受けていた人を言います。
※会社または法人の登記簿に役員として登記されていた人は基本的には該当しません。
③企業の倒産に伴い退職し、「未払い賃金」が残っている人であること。
※ただし、未払い賃金の総額が2万円未満の場合は、立て替え払いは受けられません。
④裁判所に対する破産等の申立日(破産などの場合)または労働基準監督署長に対する倒産の事実についての認定申請日(事実上の倒産の場合)の6ヶ月前の日から2年の間に、当該企業を退職した人であること。

立替払いの限度額を確認しよう

立替払いの限度額

立て替え払いを受けられるのは、未払いとなっている賃金のうち80%に相当する額ですが、年齢によって限度額があります。

立替払いの限度額

年齢 未払金の上限額 立替金の限度額
30歳未満 110万 88万円
30歳以上45歳未満 220万円 176万円
45歳以上 370万円 296万円

またこの請求手続きは、破産宣告があった日などの翌日から2年以内に、会社の所在地を管轄する労働基準監督署に相談して行うか、または破産管財人などがいる場合は、労働者に代わり手続きを行ってもらえるはずです。確認してみましょう。

特定受給資格者に該当するかを確認しよう

失業給付を受けるために早めにハローワークに相談しましょう。

会社が倒産した場合にも、他の失業者と同じく失業給付を受けることが出来ます。その手続をしましょう。

手続き自体は代わりません。ただし、倒産・解雇などで離職した場合、特定受給資格者・特定理由離職者に該当する場合があります。特定受給資格者とは、倒産・解雇などにより再就職する準備をする時間的余裕もなく離職を余儀なくされた人のことを言います。

つまり、会社が倒産したとなると「会社都合による離職」となりますので、早めに失業保険を受給できる可能性があると言うことです。

また雇用保険の失業給付は、通常「退職の前2年間に12ヶ月の被保険者であった期間」が必要です。しかし、倒産・解雇・雇い止めの場合は6ヶ月間の被保険者期間でOKです。

具体的な認定はハローワークがあくまでも個々の具体的なケースごとに判断し決定します。会社が倒産した場合は、早めにハローワークに相談しましょう。

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