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ビジネスメールの基本
メールは送信ボタンを押せば一瞬で相手に届く便利ツールですが、一方で送信すれば取り消せないというデメリットがあります。
また伝えたいことをそのまま書いた結果、無機質な表現になったり、思いがけず相手の気分を害してしまうことも。
そんな場合にも、ビジネスメールの基本マナーを守れば相手を不快にさせる確率をぐっと下げることができます。その用件を伝えるのにメールがふさわしいかどうか。ビジネスメールの基本マナーをまもってじっくり考えてから送りましょう。
ここでは13のマナーをお教えしますので、ぜひ参考にしてください。
マナー①:視点を「私」から「あなた」に変える。
ビジネスメールを書く際、相手の視点に立って書くことは重要です。メールを書くという行為は、気をつけていないと一方的になりやすい傾向があります。
できるだけ視点を「私」から「あなた」に変えてメールを書くようにしましょう。
- 【悪い例】こちらにも都合がありますので、至急お返事ください。
- 【良い例】ご多用のところ恐縮ですが、至急ご返事いただければ幸いです。
- 【良い例】勝手を言って申し訳ありません。午前中は社内会議がありますので、お打ち合わせの時間は午後1時以降にしていただければと思います。
このように、できるだけ相手目線を心がけてメールを書くようにしましょう。
マナー②:返信は24時間以内に
メールはいつ見るかわからないものですが、何日もほうっておくのは失礼にあたります。可能な限り24時間以内に、ひとまず一度は返信をしましょう。
すぐに返信できない場合でも、放っておいてはいけません。「決まり次第メールします」「検討中です。もう少々お待ちください」といった中間報告メールを送っておくことが大切です。
マナー③:開封確認や重要度の設定はつけない
すぐに読んでもらいたかったり、返信がほしかったりすると、件名に「至急」や「読んだらすぐに連絡をください」といった重要度をつけたくなるものです。
ですが(ほんとうに至急の要件でれば仕方がないものの)頻繁に重要度の設定をつけることは、あくまでこちら側の都合にすぎないので、失礼にあたります。
もしも返信がこなくて不安なら・・電話で確認しておきましょう。緊急性があったり、重要な用件の場合には「○○のメールをお送りしましたので、ご確認ください」という旨の電話をしておきましょう。そうすれば、相手が気づかなかったり放っておかれる可能性は低くなります。
メールは時間も場所も選ばない便利な通信手段です。それゆえに、ほとんどの用件をメールで済ませてしまう人もいます。
しかし、メールだけのやりとりでは、見落としやちょっとした誤解も起こりやすくなります。必要に応じて、電話や来訪することも視野に入れましょう。
マナー④: メールのやり取りは1往復半が基本
メールをいつまでに返信したらよいかを悩むところです。基本的なメールのやり取りは1往復半と覚えておきましょう。
自分から送った場合は、相手の返事にお礼を送ったところで終わり、受信メールに返事をしたら、相手からのお礼で終わり。長々とやり取りをするのはかえって失礼にあたります。
マナー⑤: メールを引用するときは手を加えない
相手のメールを引用するときは、基本的に書き直すのはルール違反。基本的には、相手のメールをそのまま引用します。
ポイント
-
<引用のルール>
- やみくもにすべてを引用しない
- 引用した文に手は加えない。
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マナー⑥: 添付するファイルは2MBまで
重いメールは相手に迷惑をかけます。2MB以上のファイルは添付せず宅ふぁいる便やfirestorageなどのサービスを使い、受け渡ししましょう。
最近は2MB以上であっても通信エラーにならず送ることが出来ますが、どのサーバーも容量は決まっているので、重い添付ファイルは負担になり、迷惑がかかります。
マナー⑦:何でもかんでも転送しない
自分宛てに送られてきたメールは「私信」に当たります。転送する場合、送信してきた相手にまず「転送してよいか」を確認しましょう。その上で、転送だということを明記して送りましょう。
マナー⑧: 「1通1要件」を基本にする
仕事をしていると、同じ相手と複数の案件やプロジェクトを担当することはよくあります。
例えば1つのホームページ制作会社に「自社コーポレートサイト」「自社の商品Aの紹介サイト」「新卒採用サイト」と複数の案件を依頼するような場合です。このようなケースでは、案件別にメールをわけて送りましょう。
例でいうと「コーポレートサイトの修正依頼」と「商品紹介サイトの新規作成依頼」といった、案件が違う要件を1つのメールでまとめないようにしましょう。
もしもメールの件数が多くなるような場合には「立て続けのメールにて失礼いたします。」といった言葉を添えましょう。
マナー⑨: タイトルは中身を的確に読み取れるように
以下の5点を並べたとき、どれが望ましいタイトルでしょうか。
- ご連絡
- お願いあり
- ご報告
- ◯◯についてのご報告
- 【社外秘】◯◯についてのお知らせ
忙しくないときは一つ一つ読めますが、もしも出張から帰宅して3日ぶりにメールを開く場合、どれが望ましいタイトルかは説明するまでもありません。
受信者側は、受信リストのタイトルだけを見て判断することになるわけですから、読む側の立場に立って中身が簡潔にわかるタイトルをつけましょう。
特に「ご連絡」「ご報告」というタイトルは、メールが100件以上たまっているとしたら、読み飛ばしてしまいがちなタイトルです。
せめて「◯◯についてのご報告」と書いてもらえれば、中身を想定して読む順序を判断することができます。メール作成の基本術では、「中身を的確に表すタイトル」をつけるというのが重要ですね。
とにかく開いて見なければ中身がまったくわからないタイトルはNG。相手も忙しいと思いますので、確実に読んでもらうためにも、相手の立場にたった簡潔な件名をつけて送りましょう。
ポイント
- タイトルは的確・簡潔であること
- タイトルは中身がすぐわかるものであること
- タイトルはロジカルであること
マナー⑩: 複数の相手への発信は「◯◯各位」の表示を忘れずに
複数の宛名に発信する場合、本文の最初に「◯◯各位」という表示をつけると親切です。受け取ったメールを、関係する誰かに転送すべきか否かを判断する材料になります。
受信リストに何十人ものアドレスが書かれていても、受けてはいちいち全部をチェックできません。不特定多数に宛ててメールの場合は、例えば「システム関係者各位」。あるいは社員全員に送る場合であれば「各位」のみで構いません。大人数に向けてのメールであることを明記しましょう。
また場合によっては、例えば部長に送る連絡であっても、課長にも同時にお知らせしたい場合があります。そうしたときは「本来の宛名(ここでは部長)」を明記したら、その下に「CC.」表記で「第二レベルの宛名(課長)」を書きましょう。
cc.鈴木課長 (←第二レベルの宛名)
マナー⑪:最初に自分から名乗る
メール作成時の基本ルールの一つは「最初から自分から名乗る」ことです。これを知らない人は案外多いようです。メールの受信者は、どの場合でもアドレスを見れば相手がわかるとは限りません。
本文の最初の部分に、社内間メールなら「お疲れ様です。◯◯支店の◯◯です」の一言でOK。読み手はそのつもりで読み進められます。
取引先やお客様相手なら「お世話になっております。〇〇会社の◯◯です」から初めます。
裏面をみれば、中身を読む前に書き手がわかる封書や、ひと目で書き手が目に飛び込んでくるハガキと異なり、メールの場合、書き手の情報がいずれのケースでも最後まで不明では読みにくいものです。
マナー⑫: 変換ミスに気をつけよう
パソコン入力やメール独自の注意点として変換ミスがあります。不注意といえばそれまでですが、よく発生するミスであり、手書きではまず起こりにくいミスです。とはいえ防げるミスと言えます。
変換ミスを防ごう
- 一定文字数ごとにさっと読み直す。
- 一つの区分ごとに再度読み直す
- 前後の文脈を読み取って確認する
- 発信ボタンを押す前に、もう一度確認を入れる。
こういった作用によって防止は十分に可能です。改めて言うまでもありませんが、メールは一度発信してしまえば最後、取り返しがつきません。送信前はしっかりと確認して送るようにしましょう。
文章を書き終えたあとで一番注意したいのが文字の打ち間違い、つまり変換ミスです。日本語には同音異義語がたくさんあるので要注意。
- 「この都市には駅がない」=「この歳には益がない」
- 「もう銃がいっぱいでした」=「猛獣が一杯でした」
- 「投資」=「凍死」
いずれも確認すれば防げる変換ミスです。書き終わったあとは確認を習慣にしましょう。
マナー⑬: 読みやすくする工夫をしてみる
■一行の文字数は30文字程度に
画面いっぱいに40文字、50文字続けて1行に書いてしまうと、読みにくいことこの上ないです。PC画面に目いっぱい書かれたメール文などもときどき見かけますが、読みにくいと思いませんか。
横組の雑誌などでは、1行の文字数は22文字、25文字あたりが一般的で、長文になればなるほど1行の文字数は短くすべきです。
パソコンやワープロでも、できれば一行は30文字程度が読みやすいです。メールの場合は、1行30時以内が目安です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。何事も基本が大切と言われますが、それはメールも同じです。基本は「誰もが良いと認めるもの」の中から、その大本を抜き出したものです。「基本」を押さえたメール<はイラッとされません。メールも型を守って書くことでスムーズに、スピーディに礼儀を尽くしたものになります。ここに書かれた7点のマナーを守ることで、失礼のないメールがかけると思います。